何を作ろう、
ということは、アイテムと生地を同時に想起することが多い。
アイテムだけが先に決まっていて、
生地を探すということもあるかもしれないが、
割とこれが困難。
作ろうとするアイテムは頭の中にぼんやりでもあるから、
まずは、生地から。
生地を基準に考える。
デザインを先に考えても良いのだけれど、
私の場合、それをすると、イメージが強くなりすぎて、
合う生地が見つからない。
結局、生地に合わせてデザインが変わってしまうのなら、
最初から生地に向き合ったほうが賢明だ。
生地の探し方は沢山ある。
世の中に生地もあふれるほどある。
先日インドへ行った。
どこかよその土地を訪れる時は、
必ず生地屋が気になる。
どんなに時間がなくても、一番気になるのが生地屋。
誰か私に他の興味を教えてくれ。
インドへ行ってもやっぱり生地屋。
人口も多く、
手作業で生地を作ることに携わる人も多いインドの生地売り場は、
ものすごい量だった。
1日やそこらで収集しなければならないスケジュールで、
時間が限られていたことは幸いだったかもしれない。
けれど、
この中からどうやって探したらいいんだー!
・生地の質
・生地の色
・生地の落ち感
・生地の厚み
・生地の柄
・生地の織り
そんなことが審査基準。
これが、ゆくゆく完成度に関わってくる。
ああ、あと、小賢しいところで、話題性なんかも入るかな。
まずは質から。
よく、「上質な」という言葉を聞く。
あれ、意味がわかりませんよね。
何をもって、「上質」なのか。
いわゆる高級と言われている、
「シルク」や「カシミア」なんかであれば、
「上質」という言葉を使う人はすぐに喜ぶだろう。
私は、そういう上質を選ぶつもりは全くない。
もちろん、「上質」に分類されるものを拒否する訳ではございません。
でも、それは基準にはならない。
これ、順番間違えたかも、
質って生地全体の要素を包括しているので、一番難しいところ。
まあ、質から始めたから、、続行しましょう。
私は、質は、自分の完成度にその生地がついてきてくれるか、もしくはそれ以上に見せてくれるか、
というところで選択します。
わかりやすい例でいうと、
インテリア用のオックスとかキャンバスのプリント地。
その厚みやそれこそ質は様々です。
普通は、クッションやソファーカバーに使うように設定されているので、
だいたい厚みがあって、多少ごわごわしますね。
でも、たとえば、手に乗せた時に、しなっと手に沿ってくれて、
くしゃっと生地を握った時に、反発して返ってくるようであれば、
あ、使えるな。
という判断です。
そこで、頭に浮かぶのは、
ジャケットやタイトスカート、それからフレアースカートなんかも面白いと思います。
その手触りの肉厚感としなやかさが、あればあるほど、
出来上がりは良いものになります。
あまり、こちらが努力しなくても協力体制ができている、
仕事をしやすい仲間という感じ。
わかりにくいですかね。
その、インテリア生地が、反発して返って来ないとどうしてダメかというと、
そういう生地は、薄くて軽いことが多い。
生地を握っても、しわになったまま返ってこない。
紙みたいだな、と私はよく思うのですが、
それを狙うデザインを作るのであれば、良いのです。
ですが、私の場合はあまりその類は作りません。
出来上がりを想定した時に、
自分が作るものとして、良いか悪いかということなんです。
どうしてそんな差がでるかまでは、私は生地メーカーじゃないのでわかりませんが、
自分で、作るものの完成度をどこまで追求するのか、
常に決めておくことは重要です。
それは、作るもの全体に言えるでしょう。
自分の作るもののレベルです。
ママさんの手作りなのか、空いた時間で作ったハンドメイド商品なのか、ブランドを持ちたいのか。
<<またね。