先日、デザイナー中西の母校でもある
エスモードという服飾専門学校にお邪魔してきました。
エスモードジャポンは1841年にパリで産声をあげて以来、
たくさんの革命を起こした服飾専門学校です。
中西は1年の日本での学びを経て、フランスパリへと飛び立ちました。
エスモードはとても自由な学校でした。
日本でイメージする、教団に先生が立って、
生徒は黙ってそれを聞く。
という半ば強制的で受動的な授業はなく
あくまで生徒の自主性を重んじる。
そんなスタイルを守っているため、生徒達は
ばらばらな作業をしています。
黙々と作業するも、誰かとわきあいあいと作品を見せ合いながら
アイディアを研ぎすませるも、自由。
クリエイティブな世界には、『締め切り』はあれど、
その過程における規制や圧迫は不要なのだな、と改めて実感します。
一つの作品を仕上げていく過程は、想像していた以上に
とても細やかなストーリーがありました。
自分自身が考えるブランドコンセプトと社会性における関連、
そこから見出される人物像、
そして具体的なイメージとデザイン、
ドシエと呼ばれるブランドの説明書のようなものを見ると
それぞれの個性がにじみ出ていてとても面白いです。
こんなおもしろいシルエットの作品がありました。
このパンツは海賊みたいですね。
パリへの留学は大きな夢へのステップですが、
その中で自身の夢を貫き通す人は一握りかもしれません。
オートクチュールという非常に狭い市場に挑み続けることは
ある種、無謀で恐いもの知らずな選択とも言えます。
世界でひとつしかない洋服を作る。
そう決めて貫いて来たら、いつの間にか10年もの月日が流れていた。
中西が卒業した後のエスモードは
今でも変わらず若きクリエーターが
夢を追い続けています。
必死に目の前の作品とにらめっこする生徒たちを見ると、
応援しないわけにはいかない。と思いました。